お花屋さんの仕事はきついって本当?
「お花屋さんの仕事ってきついですか?」という質問をよくいただきます。
ぶっちゃけひとことで言うなら「きつい」です。
「3K職」です。
お花屋さんの3K=きつい・汚い・給料安い
「じゃあ、や~めよ」って即思うならこの仕事、向いていません。
実際に何がどうきついのかまず知ろう、と思ってくれるなら、ぜひお花屋さんの仕事というものを知ってもらいたいな。
この記事では、「きつい」「汚い」「給料安い」の実態をお伝えします。
お花屋さんの仕事はきつい~店舗の全業務を行うということ
お花屋さんの仕事は、実際きつい、大変!な部類になります。
通常の会社勤めであれば事務・営業・広告・経理といった、多くの業務のうちの一部分を担当するところを、お店では少人数ですべての業務を切り盛りするため、アルバイトスタッフであっても営業や広告も含めたすべての業務を担当することになるケースが非常に多いからです。
しかし、このことはなにも、お花屋さんだけが特別なのではありません。
規模の大きな会社が運営するチェーン店の場合は別ですが、店舗を少人数で切り盛りする場合はどんなお店でも同じだといえます。
倉庫でピッキングする、スーパーのレジ打ちをするといったアルバイトとは違って、アルバイトであっても自営業の経営者並みに多岐にわたる業務をするんだ、ということをあらかじめ理解して、全部やることになるんだという心構えさえ持っていれば大丈夫です。
仕事を始めてから 「思っていたのと違う」 となってしまうとショックですよね。
まず、こちらの「お花屋さんの1日の仕事」ページを読んで、お花屋さんの仕事は花に囲まれたステキな空間で優雅にフラワーアレンジメントを作る仕事ではないことを知っておくと良いです。
そして、あらかじめこういう仕事なんだと理解して、むしろ、お店に関わるしごとを「全部手掛けることができる!」ということにワクワクしてくるなら、あなたはバッチリ!お花屋さんの仕事に向いています。
お花屋さんの仕事は汚い~生き物の世話も含めて好きかどうか
これも、「花に囲まれたステキな空間で優雅にフラワーアレンジメントを作るんだ」と思っていると現実を見てショックを受けてしまいやすい部分です。
お花屋さんには、確かにたくさんの花があり、お花屋さんに入ると「花に囲まれてステキな場所だ」と感じると思いますが、これはお客さんをそのステキな空間でシアワセにしているというサービスなのだと思って。
ディズニーランドが夢の国であるための、キャストの夢の国を作る仕事ぶりがたびたび注目されますよね。
お花屋さんも同じです。
「花に囲まれてステキな時間が過ごせた」 「ステキなフラワーアレンジメントが作ってもらえてうれしい」とシアワセになるのはお客さんです。
スタッフは、そのためにお店をキレイにし、痛んだ花が並ばないようしっかり手入れをします。
並んでいる花もお店もすべてキレイな状態にするのが、お花屋さんスタッフの仕事です。
なので、スタッフ自身がするのは掃除や傷んだ花の手入れ。
自分が花に囲まれて「はあ~素敵」ってウットリする側ではないということを理解しておく必要があります。
でもね、これも、理解しておくことが大事なだけで、お花屋さんには花がいっぱいなことには変わりありません。
花の世話も含めて「楽しい!」なら、やることが毎日掃除であっても「花いっぱいのお店にいられて嬉しい!」って思うでしょう。
感じ方の問題なんです。
生きものの世話をするということ
花は生き物で、ナマモノなので
・土に育ちますし
・虫もきますし
(お花屋さんに出荷される花は観賞用ですので綺麗に管理されてはいますが「虫はいるのが前提」です)
・カビたり腐ったり、傷みます。
その飼育・手入れを含めて仕事です。
土や虫やカビ、腐った部分の手入れがイヤだということは
「犬・猫・小鳥 かわいいな」→「でも糞尿の後始末はイヤ」というのと同じことです。
ペットは生き物なので食べたら排泄しますし嘔吐もします。抜け毛もあるし病気もします。
その世話まで含めて「ペットを飼う」ということですよね?
お花も同じです。 花も生き物ですから、「お花キレイだな」の裏には 土も虫もカビもあります。
お花屋さんの仕事は この手入れが多くを占めるので、土や虫、カビをいじる世話も含めて好きかどうかが、お花屋さんの仕事に向いているかの分かれ目といえます。
「花がキレイだから好き」なのか
「花という生き物が好き」なのか
自分がどちらなのか、振り返ってみることをおすすめします。
*参考:「お花屋さんの仕事に向いている人・やめたほうがいい人」
お花屋さんの仕事は給料が安い
お花屋さんは、花を仕入れてその素材である花を販売したり、花を素材としてフラワーアレンジメントやブーケ、寄せ植えなどの芸術作品を製作して販売します。
この仕事内容は、レストランを自分で切り盛りするのに近い、とわたしはお話しています。
仕入れた素材である花が傷みやすいナマモノで、仕入れから販売まで、1日~3日程度。
鉢植えの場合でも最長2週間程度で行わなくてはいけないところも似ています。
仕入れた品をストックできず、在庫品として保管しておくことができません。数日以内に売り切らなければ、そのままお店の損失になります。
このため、お花屋さんは基本的に利益が少ないです。
もちろん、規模の大きな仕事や生花を使わないで済む仕事、安定して一定数販売できる土台などがあれば利益は増えます。
ブライダルや会場装飾、企業提携のイベント販売などですね。
そのため、そのような大きな仕事の多い店舗やデザイナーズスタジオのようなところは、一般の生花店より給与も高いです。
もちろん仕事もたいへんだと思いますが…
膨大な業務量の割には利益が少ない傾向にあるので、給料が安いケースが多いことは頭に置いておくと良いでしょう。
それでも、やりがいのある楽しい仕事です
ここまで、お花屋さんの仕事はきつい、大変ということばかり書いてきましたが、それでも、とてもやりがいのある喜びの多い、楽しい仕事でもあります。
このサイトで、お花屋さんの仕事の現実を知って、「それでもやってみたいな」って思ってくれたらぜひ、飛び込んでみてくださいね。
母の日と年末は 短期アルバイトさんの募集も多いです。
まずは短期アルバイトで、実際の現場をのぞいてみるのもアリですよ。
*直接の業務以外の環境面で「辛い」…店長や先輩が怖いというときはこちらの記事をお読みください