「自分はお花屋さんの仕事に向いているだろうか?
それとも、向いていないんだろうか?」
就きたい仕事に自分は向いているのかどうか、気になりますよね。
実際に就職活動をする前・働き始める前に知っておきたいと思うのではないでしょうか。
この記事では、お花屋さんの店長としてスタッフの採用・指導を10年行ってきたわたしが感じるお花屋さんの仕事の重要ポイント、そしてお花屋さんの仕事に向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。
お花屋さんの仕事をするための第一のポイント
まず、仕事にするということは、相手の人を幸せにしたい という想いがあることが前提です。
なので、「花に囲まれていたい」「優雅にフラワーアレンジしたい」というような、自分が花に癒されたいという想いだけでなく、自分の提供する情報や花によって、誰かを幸せにしたい気持ちがあるかどうか?
その花を通して幸せを配る役目をやりたいかどうかを、まず自分に問うてみてください。
自分が花に癒されたいという段階を超えて、「だから、この花で誰かに幸せを届けたいんだ!」という、配る側・与える側の人になりたい!という想いがあるかどうか。ここがまずスタートになります。
自分の好きな花を好きに飾っていたいなら、きっと、趣味で花を飾っているほうがしあわせです。
お花屋さんの仕事をするための第二のポイント
次に、お花屋さんの商品が、花という生きものであり、かつナマモノであることが実際どういうことなのかを、きちんと理解できているか、というところになります。
「キレイな花だから好き」だと厳しくなってきてしまう部分です。
花のキレイじゃない部分を見続けることを受け入れられるかどうかですね。
花は生きている生きもの。
新鮮なナマモノをお客さまに届けるために手入れも処分も必要、と思えるかどうか。
お花屋さんの仕事は、仕入れたの花の世話・手入れを行うことが必須です。
お客さまの手元に花が渡ってから長く花を楽しんでもらうためには、状態の悪い花は処分し良い品だけを提供しなくてはなりません。
そのためには毎日水を替え、微生物でぬめった茎や土やカビを毎日手入れし、傷んだ花は処分して捨てることになります。
こうした作業を、お客さんの未来のために必須のことだと理解・納得して実行することができそうですか?
ここは、ものすごく 大きなポイントです。
生きものの世話や、ナマモノを販売することの現実を受け入れることができるかどうかを考えてみてください。この部分が受け入れづらいときは無理にお花屋さんの仕事をしないほうが良いでしょう。精神的にとてもつらくなってきてしまいます。
お花屋さんの仕事に向いている人
「花という生きものそのものが好き」
「花の世話も含めて好き」
「花と暮らす生活を伝えたい」
「花のある幸せを配りたい」 のように
生きものが生活するには汚い部分もあることをわかったうえで、花という生きものが好きで、花のある暮らしそのものを広めたい、届けたいと思っているなら、花屋の仕事に向いているといえます。
お花屋さんを仕事として、行うことができる、お花屋さんの仕事に向いているかどうかは
・花を生きもの・生鮮品として見ることができるか
それとも
・キレイな芸術品として見ていたいか
というところで向き不向きを判断すると、きっと自分が幸せになれます。
良い悪い、じゃないんですよ。
自分が幸せになれるかどうかって大事でしょう?
まず自分が幸せじゃないと 他の人を幸せにはできませんから。
仕事にするにはなおさら、自分が幸せなほうを選んでくださいね。
お花屋さんの仕事をするのはやめたほうがいいケース
「花はキレイだから好き」
「キレイな空間で癒されたい」
「優雅にフラワーアレンジメントをしたい」
と思っているなら
花屋を仕事にするのはやめたほうがいいです。
キレイな花、が好きで「花に囲まれたステキな空間にいたい」「優雅にフラワーアレンジメントをしたい」と思うなら
お花屋さんになるのではなく、フラワーアレンジメントスクールに通うなど、趣味として楽しむ世界にいることをおすすめします。
仕事にするならフラワーデザインスクールに通った先にある、フラワースクールの先生やフラワーデザイナーがいいです。
そのほうがあなたが幸せだからです。
こちらのタイプの人がお花屋さんになると、あまりにも思っていた世界と違いすぎて大きなショックを受けてしまいやすいです。まず自身が幸せになれません。
同じ「花が好き」「花って良いよねって伝えたい」という気持ちを持っていても、お花屋さんの仕事に向いているとは限らないんです。
お花のお教室の先生になって「花って良いよね」って伝えるほうがきっと幸せです。
タイプは違えど、どちらも「花って良いよね」と伝える仕事であることに変わりはありません。
お教室では、花の汚い部分は見なくても大丈夫なんです。
花の手入れはお花屋さんがしてくれていて、きれいに飾る部分だけを担当できます。
花を活けて教える、その時間内で花が傷むこともありません。
花が傷む姿も見なくて大丈夫です。
もちろん花を持ち帰ったら自宅では傷んできますが、仕事として傷んだ花を廃棄したり、毎日傷んだ部分の手入れをし続けることはありません。
お客さんの手元に花が渡ってからのためにと割り切って花を処分できる人のほうが花屋さんには向いています。花がかわいそうと感じすぎてしまう繊細な人は花屋さんには向いていません。
向き不向きは本当にあります。自分をよく見つめてみて
「お花屋さんで働きたいんです!」って面接にいらして採用が決まっても、初日の休憩時間に行方不明になってしまったり、3日以内に音信不通になってお店に来なくなってしまう人は珍しくありません。
きっと、お花屋さんという世界では幸せになれない方だったんだ、とわたしは思っています。
向いていない、って、ほんとうにあると思うんですよ。
採用後にこういうことになってしまうと、ご本人は姿をくらましてしまうほどの大きなショックを受けてしまうし、店舗側は最初から採用活動をし直さなくてはならず、その間人手不足でめっちゃ大変!となってしまいます。
これって、お互いに不幸じゃないですか。
お花屋さんの仕事に応募する前に仕事の現実を知って、「あ、これは自分には無理だ」ってわかることはとても大切なことだと思っています。
いまこの記事を読んで、「自分はお花屋さんの仕事ができそうにない」ってショックを受けたとしても、実際に仕事を始めてから目の前で起きる事が耐えられなくて逃亡するほどに大きなダメージを受けることを考えると、いま記事を読んで受けるショックのほうが、きっとはるかに軽いです。
そう考えて、この記事を書いています。
あなたが、あなたの望む方法、望む関わりかたで花と関わっていられますように。